- Trump taps Sriram Krishnan for AI advisor role amid strategic shift in tech policy
- 5 network automation startups to watch
- 4 Security Controls Keeping Up with the Evolution of IT Environments
- ICO Warns of Festive Mobile Phone Privacy Snafu
- La colaboración entre Seguridad y FinOps puede generar beneficios ocultos en la nube
企業向けソフトウェアのTCOを計算する方法
組織が魅力的な新しいソフトウェアを購入すると、一般的に、ビジネスプロセスの合理化、生産性の向上、自動化、セキュリティの向上、市場投入までの時間の短縮、DX(デジタルトランスフォーメーション)など、そのメリットに注目が集まります。
コストと利益の方程式のもう一方の側面、つまり、単なる小売価格以外も含めたソフトウェアの購入にかかるコストは、ソフトウェア購入の承認を得る際にそれほど注意を引かないかもしれませんが、あらゆる企業向けソフトウェア投資の期待収益率を決定するうえでは、同様に極めて重要です。結局のところ、製品のすべてのライフサイクルでのソフトウェア実装の総コストを正確に予測または計算できなければ、購入またはその他のITに関する健全な意思決定を行う基盤がないことになります。
TCOとの概要と重要である理由
総所有コスト(TCO)とは、製品やサービスの購入、構成、設置、使用、モニタリング、保守、最適化、廃棄にかかる、組織の全体的な予想支出の見積もりです。
本格的なTCO分析は複雑で時間がかかります。しかし、もしあなたが部長としてCIOに大規模なソフトウェア投資を提案する場合、CIOとして予算が限られている状況で競合するプロジェクトの中から選択しようとする場合、あるいはCIOとしてCEOや取締役会にソフトウェア主導の戦略的イニシアチブを売り込もうとしている場合、しっかりとしたTCO分析は必要不可欠です。
単に長期にわたるコストに関する正確で予測可能な分析を提供するだけでなくTCOを掘り下げることで、他のメリットももたらされます。これにより、将来的にあなたを苦しめるかもしれない隠れたコストを発見するのに役立つのです。例えば、アプリケーションを5年以上稼動させる予定だが、稼動させる予定のサーバーが寿命に近づいており、2~3年で交換する必要がある場合、それを考慮する必要があります。
TCOの見直しは、ソフトウェアの実装が想定通りに実行され、求めていた利益をもたらすかどうかを確認するのにも役立ちます。TCOの分析を行うことで、データ移行、従業員トレーニング、プロセスの再構築などについて考えざるを得なくなります。
幸い、ガイドとテンプレートが用意されています。例えば、ApptioはアプリケーションのTCOチートシートを提供し、GetAppはオンプレミスとSaaSの両方のアプリケーション向けにExcelスプレッドシートのTCO計算ツールを提供しています。
しかし、TCOを決定するための決まった方法はありません。というのも、それぞれの置かれた環境に大きく左右されるからです。この新しいソフトウェアが組織のさまざまな部分にどのような影響を与えるかを予想するために、できるだけ多くの人に協力を求めるのは常に良いアイデアです。
どのようなTCO計算でも、初期コストとインストール、継続的な運用とメンテナンス、耐用年数終了後のソフトウェアの廃棄という3つの主要なバケットが含まれています。以下に、それぞれのカテゴリーに含まれるべき重要な要素を説明します。
初期購入、構成、インストール
ソフトウェアのライセンス条件の交渉は、それ自体がスキルであり、会社の法務チームやCFOの支援を必要とする場合があります。ほとんどのソフトウェアベンダーが定価からの割引を提供しているのは、長期的なサービスおよびサポート契約で利益を得られるからです。割引率は、初期購入価格の20%に達することもあります。
複数のベンダーにRFPを求め、ライセンス条件、サービス、サポートレベル、資金調達のオプションについて交渉する際には、強気で臨むことが重要です。
ほとんどのソフトウェアベンダーは、従来の1回限りの永久ライセンスからサブスクリプションベースモデルに移行しつつあり、つまりコストは定期的に、おそらく年単位で発生することになります。
TCO分析を行う際には、現在必要なライセンス数と、将来必要になる可能性のあるライセンス数を正確に見積もることが重要です。この数字が大幅に増加する見込みであれば、コストは前年比で上昇することになります。また、追加のサーバーハードウェアやデータストレージ容量の必要性など、付随的なコストが発生する可能性もあります。
インストールのコストに関しては、新しいソフトウェアプラットフォームの展開が決してプラグアンドプレイではないことを考えると、さまざまな可能性が考えられます。以下に、分析に含める必要のあるコストをご紹介します。
- ハードウェア:新しいハードウェアを購入する必要がありますか、それとも既存のサーバーやストレージでソフトウェアを実行できる容量がありますか。オンプレミスサーバー、コロケーション施設、クラウドベースのIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャー)のハイブリッドモデルがある場合、それぞれのオプションのコストはどれだけかかりますか。
- 光熱:新しいハードウェアが必要な場合、電気代や冷却費などの追加光熱費はどれだけかかりますか。
- テスト:ハードウェアを展開するに先立って、品質保証とテストにかかるコストはいくらですか。アプリケーションは単独では存在しません。では、ソリューションが他のソフトウすか。
- 構成と移行期間:現在の環境でソフトウェアをスムーズに動作させるには、どの程度の構成が必要ですか。また、旧システムから新システムへの移行に伴うダウンタイムはありますか。
- セキュリティ:セキュリティチームが最新情報を共有していることを確認し、新しいソフトウエアに潜在的なセキュリティ脆弱性がないかどうかを吟味するための十分な時間を確保してください。さらに、アクセス制御、認証、ゼロトラストなどの分野で、新しいソフトウエアを組織のセキュリティインフラストラクチャに組み込むことに関連するコストはどの程度でしょうか。
- トレーニング:エンドユーザーが新しいソフトウェアを使いこなせるようになるには、どのようなトレーニングが必要ですか。
- ネットワーキング:この新しいソフトウエアは、データを送り込むための帯域幅の追加や新たな経路を必要とするのですか。
- リエンジニアリング:ワークフローが新しいソフトウェアから最大限の利益を得るように最適化するために、どのようなプロセスのリエンジニアリングが必要になりますか。
- データ移行:従来の主要製品を最新バージョンに置き換える場合、データ移行のコストを計算することが重要です。複数の主要製品をプラットフォームやスイートに置き換える場合、データ移行プロセスはさらに複雑になり、コストもかかります。
- バックアップ:アプリケーションデータは、1か所にあるわけではありません。企業は、バックアップや災害復旧のためにアプリケーションデータのコピーを複数保管しているため、バックアップを交換するコストを追加する必要があります。
モニタリング、メンテナンス、最適化のコスト要因
アプリが稼動を開始すると、TCOの分析に含める必要のある次のような追加コストが発生します。
- カスタマイズ:各企業には独自のワークフローとソフトウェア依存関係があるため、生産性向上への道筋で起こりうる障害をスムーズにするために、アプリを微調整する必要が出てきます。
- 統合:インストール前にどれだけテストを行っても、統合の問題は常に発生し、修正する必要があります。
- パッチ適用/アップグレード:絶え間ないパッチ適用やソフトウェアアップデートを好む人はいませんが、IT部門はアプリケーションにタイムリーにパッチが適用され、最新バージョンが稼働していることを確認するためにリソースを割り当て続ける必要があります。
- アプリケーションのパフォーマンス管理:サービスとサポートの契約では、ソフトウェアにバグやクラッシュが発生した場合にベンダーがサポートを提供しますが、アプリケーションのパフォーマンスのモニタリングするのは通常、ITスタッフ次第です。
- 継続的なトレーニング:トレーニングは、終わりのないプロセスです。従業員は辞めたり新しく入ってきたり、ベンダーが時間とともに新しい機能を追加していったりするためなおさらです。
- ライセンスのモニタリング:モニタリングを行って、使用されていないライセンスの料金を支払っていることが判明するほど最悪なことはありません。定期的な監査を実施することで、現在その会社で働いていない従業員が所有しているライセンスや、特定のチームや事業部門のライセンス要件を過大に見積もっていた事例を特定することができます。そのような場合、ライセンス費用を削減したり、ツールの恩恵を受けられるエンドユーザーにライセンスを譲渡したりすることが可能です。
廃棄コストの中心はデータ移行
ハードウェアが寿命を迎えたら、適切に廃棄する必要があるのは当然です。ソフトウェアの場合、主にデータのエクスポートに関連するコストがかかります。
最初に、古いソフトウェアから新しいソフトウェアにデータを移行する必要がありますが、1つのビジネスプロセスでさえ、すべての依存関係やデータベース呼び出しが必要になる可能性があるため、複雑な作業になります。それに加えてバックアップや障害復旧もあります。
新しいソフトウェアでは、データを別の方法でフォーマットする必要があるかもしれません。また、規制やコンプライアンス上の理由から、旧システムの特定のデータストアのアーカイブコピーを保持する必要があるかもしれません。
TCO計算のもう一つのしわ寄せは、ソフトウェアの使用期間を見積もることです。貴社は、技術スタックを変更する必要がなければ変更せず、そのため、おそらくそのソフトウェアが仕事をする限りは使い続けることになりますか。その場合、10年版だけでなく5年版のTCO分析も有意義かもしれません。
一方、貴社が3年以内にデータセンターを全廃し、可能な限り多くのアプリケーションをSaaSに移行するという積極的な持続可能性戦略を掲げている企業である場合は、このソフトウェアは、ビジネス上の重要なニーズを満たすため、今すぐ必要かもしれません。しかし、寿命が短くなることはわかっているので、TCO計算にはそれを反映させる必要があります。
全体像:コスト対利益
TCOの決定は、コスト/利益の方程式の一部に過ぎません。ROI分析を行う経営幹部は、見積もりコストと予想される利益のバランスを取る必要があります。新しいソフトウェアは、価値の高いプロジェクトをサポートし、会社の戦略的目標に沿ったものでなければなりません。
もちろん、新しいソフトウェアによって期待される利益も、想定されるTCOも、見積もりであり、変更される可能性があります。しかし、綿密なTCO分析を行うことで、確固たるフレームワークを構築することができます。これは、やみくもに飛び回り、後々思わぬ出費に見舞われるよりは確実に賢明です。
TCOとROIの詳細情報: